2023年度終了プロジェクト

サプライチェーンプロジェクト

プロジェクト概要

グローバルサプライチェーン(製品やサービスの生産過程)の拡大による中国をはじめとする途上国の急激な経済成長は、環境負荷の深刻な要因となっています。そして、環境負荷だけでなく、そのPM2.5排出などの環境負荷が、どの程度健康被害などの環境への影響を引き起こしているのかについては十分に明らかになっていません。このプロジェクトでは、都市、企業、家庭の行動がグローバルサプライチェーンをとおして、どのようにさまざまな環境問題を引き起こしているのかを明らかにする研究を行いました。

研究成果の概要

これまでの研究で、都市と家庭の消費において、どの程度の二酸化炭素がサプライチェーンを通して排出されているのかを明らかにしてきました。はじめに、マイクロ消費データを用いて、都市や家庭のカーボンフットプリントを明らかにしてきました。さらに、企業レベルの財務情報などを用いて、企業のスコープ3排出量を推計してきました。また、二酸化炭素以外にもサプライチェーンを通じた様々な環境問題に取り組んでいます。例えば、世界各国の消費が、木材や食品の輸入を通じてどの程度森林伐採を引き起こしているのかを地図化することに成功しました。 これら研究成果は、学術雑誌「Environmental Research Letters」誌、「One Earth」誌、「Nature Ecology & Evolution」、「PNAS」誌などに掲載されました。

図1:京都をはじめとする都市は、直接環境負荷を排出するわけではなく、製品やサービスの輸入を通じて、都市の外側で環境負荷を排出しており、その実態を明らかにしようとしています

私たちの考える地球環境学

地球環境問題が非常に深刻化していることは、多くの人がニュースなどで知っています。例えば、中国やインドでPM2.5による大気汚染が進み、多くの人が亡くなったり、東南アジアや南米のアマゾンで生物が絶滅の危機に晒されていたりしていることをニュースで読んだことも多いと思います。しかしながら、それは中国やインド、東南アジアや南米だけの問題と言ってしまっていいのでしょうか。なぜ、そこで環境問題が起こっているのかを考えると、その問題の解決策と私たちがどのように関わらなければいけないのかが見えてきます。私達は、世界各国で深刻化している地球環境問題と、企業の調達や都市や家庭での消費とを結びつけ、そこから導き出される解決策を探るために研究をおこなってきました。

新たなつながり

企業やNGO、都市の政策決定者などとのつながりが生まれ、今後の研究成果をもとに、さらに新たなネットワークが広がっていくと考えています。

図2:都市のカーボンフットプリントを地図化したWebサイトのイメージです。詳細は、https://city.spatialfootprint.com/ja/からご覧いただけます

プロジェクトリーダー

金本 圭一朗

外部評価委員による評価(英語)

研究スケジュール

2017年度
(平成29)
2018年度
(平成30)
2019年度
(令和1)
2020年度
(令和2)
2021年度
(令和3)
2022年度
(令和4)
2023年度
(令和5)
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