本郷 峻

総合地球環境学研究所 准教授/京都大学白眉センター/アジア・アフリカ地域研究研究科 特定講師

担当

地域知と科学との対話による公正で持続的な狩猟マネジメント

役職・肩書

総合地球環境学研究所 准教授/京都大学白眉センター/アジア・アフリカ地域研究研究科 特定講師

専門分野

保全科学、野生動物管理、霊長類学

経歴

愛知県名古屋市生まれ。2016年、京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了、博士(理学)。同霊長類研究所・研究員、同アフリカ地域研究資料センター・特定研究員、国際協力機構 (JICA) ・長期専門家などを経て、2024年4月より現職。長期フィールド調査を研究の主軸とする。自動撮影カメラなど科学的手法と狩猟者の地域知とを組み合わせ、熱帯雨林地域の野生動物マネジメント法の開発に取り組む。

Q&A

地球研ではどんな研究をしていますか?
私のもともとの専門は、霊長類(サルのなかま)の生態学です。霊長類学はある意味「いい加減」な学問で、われわれヒトを含めた霊長類を対象にしていれば何をやってもいい学問なので、色々な専門家と出会う機会がありました。彼ら彼女らとの出会いによって私の興味も社会生態学から個体群生態学、そしてより応用的な野生動物管理や保全科学へと移ろっていきました。地球研でのプロジェクトでは、さらに生態人類学や科学社会学などにも手を延ばしながら、熱帯雨林における野生肉危機の解決と、科学者と地域住民の対等な協力の実現に向けて、楽しく研究していきたいと考えています。

このように色々な専門分野の間を移ろいできたのですが、その一方で常に重要視してきたのが、「研究室から出て、フィールドでの経験とデータを基礎にする」という研究の構えです。抽象的な議論をしているときも、数値化されたデータを眺めているときも、折に触れて調査を行った現地での出来事や経験に立ち返るように心がけています。ですので、地球研プロジェクトも、なるべく地球研の外に出て推進していきたいと考えています。
地球研で研究したい人に向けてのメッセージは?
地球研は、「地球環境問題の解決」という、まさに地球規模の課題を第一のミッションに掲げる研究所です。地球環境問題と聞くと、その複雑さと深刻さに圧倒され、尻込みしたり目を逸らしたりしたくなるかもしれません。また、眉間にしわを寄せて、難しい顔で取り組むことを強いられているような気持ちになるかもしれません。でも、私たちは研究者です。そして研究は、本質的に楽しいものでなくてはならないと思います。もちろん研究に真摯な態度で真剣に取り組むことは必要ですが、壮大な課題に取り組んでいるからこそ、むしろ常に楽しみを見出しながら日々の研究を行っていくことが大切かなと思います。

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